事例集②

当社のサービス事例集、よくある質問をご紹介します。

末期のがんと言われたが、本人も自宅で過ごしたいと希望している!

病院での治療は終え、現在自宅療養中です。週に一度は近所の医院に通院し診て貰っていますが

いずれは病院に入院しなければならないと思っています。以前入院した際、夜間は家族が付き添うことができなかったので、とても心配です。可能であれば自宅で世話をして、最期の看取りも考えています。少しでも元気があるあいだに、車いすで日帰り旅行を考え、社会福祉協議会に相談したところ、介護保険で車いすのレンタルができるかもしれないと聞き、介護保険の申請をしました。

結果は「要介護1」でしたが、担当のケアマネージャーさんから、主治医の先生と相談の結果、車いすのレンタルが可能になりました。

現在は、寝たきりの日々が続いていますが、日中は車いすで部屋から自慢の庭を眺めます。そろそろ入院を考えようか迷っていますが、がん患者専門の往診して下さるお医者様がいると聞き、相談に行く予定です。

ヘルパーさんに母親の部屋の掃除を頼んだら断られてしまった!

 いろいろ事情があり、母と私は2人だけで暮らしています。その母は要介護1。認知症などはありませんが、骨粗鬆症であちこちが痛み、動くことは動けるのですが、長くは動けず、かがむことも辛い状況です。この間は、床のごみを拾おうとしたところ、転びそうになってしまいました。骨粗鬆症は転んではだめ、と主治医に注意されていたので、母はますます動こうとしなくなってしまいました。運動は主治医が勧めないので、デイケアは行っていません。デイサービスも一度見学しましたが、幼稚、と言って行っていません。私も正社員で働いていますので、どうしようか悩んでしまいました。

その時点でのケアプランは・・・

①配食サービスを週3回利用

②配食が無い週2日は、娘さんが作った昼食をヘルパーさんが冷蔵庫からだし、温めるなどして食事が出来るようにする。不潔になるので片付けまで行う。

③受診する際、歩行が辛いので歩行器のレンタル。

以上です。そこで、訪問介護の事務所へ、ヘルパーさんに掃除をしてもらいたいとお願いしたところ、同居する人がいる場合は掃除などは行えません、との答え。そんなはずは・・・と思いケアマネージャーさんに相談したら、原則としては厳しいです、特に家族皆が使う共有部分はなおさら制約があります。場合によっては保険外での利用を、との回答。しかし、話し合いを進めていく中で、ケアマネージャーさんから、「本人が行なう、あるいは行なおうとすることを手伝うことは出来ますよ」と。母に、聞いたところ、手伝ってもらえるなら、やりたいことはいっぱいある、と言います。

後日、母と私、ヘルパーさんとケアマネージャーさんが集まり、サービス担当者会議、と言うのが開かれ、出来ること、したいこと、してもらいたいことを整理しました。「出来ません」と断られたとき、やや感情的になりそうでしたが、今回の事で、介護保険で出来ないことや、本人次第で出来るようになる事、場合によっては保険外での利用もある事を知ることが出来ました。

元気だった義父が引きこもりになり元気が無くなった!

 10年以上前に妻を亡くしてから、義父は孫の世話や、ごみ出し、庭の掃除など、何かしら家の事をしてくれて、共働きの私達は非常に助かっていました。孫が社会人になり、嫁の私も正社員からパートに変えるなど、少しずつ義父の負担も減り、家族としては、やっと義父にもゆっくりしてもらえるようになった、と安心し始めたのが数年前。1年ほどしてから、「後期高齢者医療保険」が始まり、義父にも関係書類が送られてきたのですが、数日、何度も何度もその書類を読み返し、さらに自室からも用がないと出てこなくなってしまいました。

2年間はそんな状況が続いたと思います。息子である私の夫も、気晴らしにと、昔よくやった将棋をしようと、部屋に行くのですが、最後までやれなくなってしまったそうです。近所の人に勧められ、去年介護保険の申請を行ない、要支援1の認定が出ました。包括支援センターにも連絡し、相談窓口は確保できているのですが、肝心の本人が、何もしたくない、といっているので、包括支援センターの方も手出しが出来ない状況でした。

数ヶ月前、法事があり私達夫婦が遠い田舎に行かなければならなくなり、義父をどうしようか考えていたところ、包括支援センターの方から、ショートステイを教えてもらい義父を説得しましたが、うん、とは言いません。3日間の予定でしたが、包括支援センターの方と話し合い、時々、様子を見に来てくれることになりました。食事は臨時で3食とも配食サービスを利用することにし、あとは本人に任せることとしました。

帰宅してビックリ。家中、私達が出かける前よりもさっぱりし、たまっていた新聞も小分けして結んであり、洗濯も自分で行なって、配食サービスの弁当容器もきちっと洗ってレジ袋にまとめて有ります。お風呂も入ったようです。義父に「留守にしてすみませんでした。電話では元気そうだったので、安心していましたが、何か変わったことはありませんでしたか?」と尋ねると、「これからも安心して出かけなさい」との答え。地域包括支援センターの方も、訪問すると、庭を掃除していたり、洗濯物が干してあったりしたので、あえて声はかけず、様子だけ見ていたとのこと。近所の方に聞いても、雨戸の開け閉めも時間になるときちっとしていたとのことです。

後日、地域包括支援センターの方と話をしましたが、自分の役割が少しずつ無くなり、生きがいが少なくなっていたところへ後期高齢者医療制度が始まり、要支援認定を受けたりと、何か、自分の存在価値を削られていくような気になっていたかもしれない。それでは、介護サービス等の利用ではなく、もう少し、本人が、自分のペースで、生活し、主体である自覚が持てるよう、皆で見守っていくことにしました。

田舎の身内が急に亡くなったが、同居の親は高齢で連れて行けない!

 田舎の父が急に亡くなりました。長患いしていたわけでもなも無く、突然の事に驚いている暇もなく、駆けつけるための準備していて、ふと、同居中の義父さんと義母さんをどうしようと思いました。家は子供も全員社会人になり、都内で忙しく暮らしています。彼らにとっては、2、3回しか合った事のない遠い祖父。そのことで家の老親の事を頼むのは気が引けます。

夫は、何とか2人でやるだろうから、と言いますが、義父は片麻痺のある要介護2、デイケアに週2回リハビリに通っており、義母は認定こそ受けていないものの、自分の手の届く範囲の始末しか出来ない状態。2人ともトイレには何とか行けますが、必ず後始末はしなければならない状況・・・2人を置いてはいけないと思い、よく早朝、義父のケアマネージャーに相談しました。緊急の受け入れはなかなか難しいが、ショートステイを探してみるとの事でしたので、お願いしました。

時間がかかりそうなので、娘の私が遅くなるのは良くないだろう、と夫が言うので、心残りながらも私だけ先に行くことにして、後は夫に任せることにしました。

ここからは夫から聞いたことです。ケアマネージャーさんが市内だけではなく、隣接の市の施設にも聞いてくれたそうですが、やはり空きがない、と言うのが第一報。夫は、自分が駆けつけるのをあきらめかけたそうです。

暫くしてケアマネージャーさんから、義父の通っているデイケアの系列施設で2人とも緊急受け入れをしてくれそうだ、義母についても、何がしかの認定が出るだろうから、今日中に介護認定の申請をしてしまいましょう!との連絡。夫は用意してあった荷物を持って、タクシーでその施設に向かい、現地でケアマネージャーと合流してショートステイの手続きを行なったそうです。おかげで式にはぎりぎりで間に合うことが出来ました。

義母は結局要介護1の認定。介護保険は申請日から1割でサービスが使えるとの事で、最終的には1割負担で利用することが出来て助かりました。

後日、義父は自分の妻が要介護1の認定が出たことを聞いて、「2人ともやっと勲章がもらえたな」と言って笑っていました。

父が病院に入院していたが、治療がなくなったといって退院の話が出てきた!

 私達娘夫婦と2人の子、そして父の5人暮らし。私達夫婦は、長女が大学生、次男が大学受験を控えており、フルで仕事をしています。幸い夫婦ともに土日は休みなので、父の面会には毎週行くことができていたのですが、「来週末退院してください。治療も終了し、回復期のリハビリも一応の段階を迎えましたので」と看護師さんから言われました。

父は今回の入院までは、81才ながらも割と元気で、近くにある母のお墓参りも月命日ごと、自分で歩いていけるほどだったのですが、3ヶ月ほど前、庭木の手入れをしている最中に転び、右大腿骨頸部骨折し、手術を受けたのです。血圧が高めで、めまいを起こして転んだらしいのですが、本人は気力が落ちてしまい、最初はリハビリもあまりやりたくなかったようです。母のお墓参りや、孫が結婚するまで頑張ろう、等と家族やリハビリスタッフに励まされ、最近ようやく、1本の杖で歩け、椅子からなら立ち座りも何とかできるようになった所だったのです。今の状態で父が帰ってくることをまったく想像していなかった私達は少し慌ててしまいました。看護師長さんにその気持ちを伝えたところ、病院の「在宅相談室」を紹介され、相談員さんと面接することが出来ました。相談員さんからは・・・

①リハビリは続けないと、自宅での生活だけでは、また転倒してしまう

②血圧の管理は、退院後は近所の主治医とよく相談したほうが良い

③活動範囲が狭まってしまうことが考えられるので、意欲の低下を来たさない工夫を

④布団や座敷の生活は、今の状況では危ないかもしれない、何か工夫を

⑤これらの事は介護保険で対応できることがあるかもしれないので、申請するように

⑥継続すべきリハビリの内容を書いた書類と看護情報提供書を用意します。

とアドバイスをいただきました。

私達は早速市役所に行き申請を行ないましたが、介護認定が出るまでは1ヶ月かかるとのことでしたので、慌てて、そのことを病院の相談員さんに伝えると、「要介護」が出るかもしれないので、ケアマネージャーを紹介します、と言ってくれ、今日、これから会うこととなりました。