秋になると思い出す人

秋になると思い出す方がいます。

 

昔、特別養護老人ホームで働いていた時の話です。

65才になるのを期に精神科などの病院や障害施設から特別養護老人ホームに住処を変えるケースはよくあります。

ある秋の日。その方はツナギ服(拘束用で鍵付きのもの)を着用していました。

なぜだろう。

一介護職員の私までその経緯を説明する申し送り情報は下りてきていませんでした。

その方はトイレの頻度が多かったので、おむつにして触らせないためにしていたのかもしれません。

でも、トイレなど行きたいときに行けばいい。当たり前のことです。

腎臓や膀胱に問題があれば、きちんと治療を行うべきです。

当然、即日でツナギを脱いで頂くことにしました。

その時、ツナギについている鍵を開ける錠がなく、入居前にいた病院に電話してやっと持ってきてもらいました。

 

その日から一度も、ただの一度も問題は起こりませんでした。

きっと病院では、なにか必要性があってこのような対応を取っていたのでしょう。

 

しかし、ここに見て取れるのは、患者や利用者の行動や心境は、病院や施設やサービスの提供方法に強く影響を受けるという事実です。

私たちが提供しているデイサービスにおいても、施設のレイアウトや照明、スケジュール、プログラム、スタッフの接し方によって、利用者の反応や態度は大きく変わることがあります。

 

問題の原因は、必ずしも患者や利用者にあるわけではありません。場合によっては、病院や施設側の取り組み方やサービス提供にこそ課題があるのかもしれません。

 

冒頭の話は10年以上前の事ですが、私にとっては忘れられない出来事です。

 

小林


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です